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八百日行く浜の真砂も我が恋に
あにまさらじか沖つ島守

歌の意味
八百日もかかって行くほど長い浜の砂の数も、私の恋にどうしてまさろうか。沖の島の番人よ。
鑑賞
巻第四 相聞 596

詞書は前の歌に続き「笠女郎の大伴宿祢家持に贈る歌二十四首」
 八百日かかって歩くほど長い浜の砂の数も、私の恋の多さにはまさるまいと、沖の島守に呼びかけて問う歌である。数えきれない砂の数と恋の思いとを比べる大胆な誇張の表現である。「沖つ島守」は島を守る番人で、浜の砂をよく知る者として呼びかけている。
 作者の笠女郎は、奈良時代の女流歌人で、大伴家持に多くの恋の歌を贈った。伝は未詳である。

 初句「八百日行く」は、八百日もかかって行くの意で、果てしなく長い浜を表す。
 二句「浜の真砂も」の「真砂」は細かい砂で、数えきれないものの代表として挙げられる。
 三句「我が恋に」は、私の恋にの意で、比較の基準を示す。
 四句「あにまさらじか」の「あに」は反語の副詞、「じ」は打消推量、「か」は疑問で、どうしてまさろうか、まさりはしないだろうの意となる。
 結句「沖つ島守」は、沖の島の番人よと呼びかける語で、体言止めで結んでいる。

まなご:細かい砂
しまもり:島を守る番人
作者
笠女郎
出典
万葉集
前の歌
我が命の全けむ限り忘れめや いや日に異には思ひ増すとも
次の歌
うつせみの人目を繁み石橋の 間近き君に恋ひわたるかも