恋にもぞ人は死にする水無瀬川
下ゆ我れ痩す月に日に異に
- 歌の意味
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恋のためにも人は死ぬものだ。水のない水無瀬川が地の下を流れるように、人知れず私はやせ細っていく。月ごと日ごとに。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 598
詞書は前の歌に続き「笠女郎の大伴宿祢家持に贈る歌二十四首」
恋のためにも人は死ぬことがあると言い、水無瀬川の水が表に見えず地下を流れるように、人知れずやせ細っていくと詠む歌である。表に見えない恋の苦しみを、水無瀬川の比喩によって鮮やかに表している。
作者の笠女郎は、奈良時代の女流歌人で、大伴家持に多くの恋の歌を贈った。伝は未詳である。
初句「恋にもぞ」の「もぞ」は危惧を表し、恋のためにもの意となる。
二句「人は死にする」は、人は死ぬものだの意で、「ぞ」の結びとして連体形「する」で結ぶ。ここで切れる二句切れである。
三句「水無瀬川」は、水が地表を流れず地下を流れる川で、「下」にかかる枕詞である。
四句「下ゆ我れ痩す」の「下ゆ」は心の内で、人知れずの意で、ひそかにやせ細っていくことをいう。
結句「月に日に異に」は、月ごと日ごとにますますの意である。
みなせがは:水が地表を流れず地下を流れる川
やす:やせる
- 作者
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笠女郎
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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うつせみの人目を繁み石橋の 間近き君に恋ひわたるかも
- 次の歌
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朝霧のおほに相見し人故に 命死ぬべく恋ひわたるかも