朝霧のおほに相見し人故に
命死ぬべく恋ひわたるかも
- 歌の意味
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朝霧のようにぼんやりとわずかに逢っただけの人のために、命も絶えそうなほどに恋い続けていることだ。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 599
詞書は前の歌に続き「笠女郎の大伴宿祢家持に贈る歌二十四首」
朝霧を通して見るようにぼんやりとわずかに逢っただけの人のために、死ぬほど恋い続けていると詠む歌である。逢瀬のはかなさと恋の激しさとの落差を、鮮やかに表している。
作者の笠女郎は、奈良時代の女流歌人で、大伴家持に多くの恋の歌を贈った。伝は未詳である。
初句「朝霧の」は、朝霧がぼんやりとかかる意から「おほに」にかかる枕詞である。
二句「おほに相見し」の「おほに」はぼんやりと、おおよそにの意で、わずかに逢っただけの意となる。
三句「人故に」は、その人のためにの意である。
四句「命死ぬべく」は、命も絶えそうなほどにの意である。
結句「恋ひわたるかも」は、恋い続けていることだの意で、本巻の第五百九十七首、次歌の第六百首と同じ結句である。
あひみる:互いに顔を合わせる、逢う
- 作者
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笠女郎
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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恋にもぞ人は死にする水無瀬川 下ゆ我れ痩す月に日に異に
- 次の歌
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伊勢の海の礒もとどろに寄する波 畏き人に恋ひわたるかも