思ふにし死にするものにあらませば
千たびぞ我れは死にかへらまし
- 歌の意味
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恋しく思うことで死ぬものであったならば、私は千度も死を繰り返していることだろう。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 603
詞書は前の歌に続き「笠女郎の大伴宿祢家持に贈る歌二十四首」
思い焦がれて死ぬものならば、私は千度も死んでいるだろうと、恋の苦しさを誇張して訴える歌である。反実仮想を用いた大胆な表現に、一連の中でもとりわけ激しい思いが表れている。
作者の笠女郎は、奈良時代の女流歌人で、大伴家持に多くの恋の歌を贈った。伝は未詳である。
初句「思ふにし」の「し」は強意の副助詞で、恋しく思うことでの意となる。
二句「死にするものに」は、死ぬものにの意である。
三句「あらませば」の「ませ」は反実仮想の助動詞「まし」の未然形、「ば」は仮定で、もしそうであったならばの意となる。
四句「千たびぞ我れは」は、千度も私はの意で、係助詞「ぞ」が強め、結びは結句の「まし」の連体形である。
結句「死にかへらまし」は、死を繰り返しているだろうにの意で、「まし」は反実仮想を表す。
しにかへる:死を繰り返す。何度も死ぬ
- 作者
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笠女郎
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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夕されば物思ひまさる見し人の 言とふ姿面影にして
- 次の歌
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剣大刀身に取り添ふと夢に見つ 何のさがぞも君に逢はむため