我れも思ふ人もな忘れおほなわに
浦吹く風のやむ時もなし
- 歌の意味
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私もあなたを思っている。あなたも忘れないでください。ひたすらに浦を吹く風がやむ時もないように、私の思いも絶えることがない。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 606
詞書は前の歌に続き「笠女郎の大伴宿祢家持に贈る歌二十四首」
私もあなたを思っているのだから、あなたも忘れないでほしいと願い、浦を絶えず吹く風のように、思いはやむ時もないと詠む歌である。「おほなわに」の語義には諸説があり、難解な歌とされる。
作者の笠女郎は、奈良時代の女流歌人で、大伴家持に多くの恋の歌を贈った。伝は未詳である。
初句「我れも思ふ」は六音の字余りで、私もあなたを思っているの意である。
二句「人もな忘れ」の「な」は禁止を表し、あなたも忘れないでくださいの意となる。ここで切れる二句切れである。
三句「おほなわに」は語義未詳で、ひたすらに、また大方にの意などとされる。
四句「浦吹く風の」は、浦を吹く風がの意である。
結句「やむ時もなし」は、やむ時もないの意である。本巻の第五百二十六首の四句「やむ時もなし」と同じ句で、絶えない恋心を表す言葉が響き合っている。
うら:入り江、海辺
- 作者
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笠女郎
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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天地の神の理なくはこそ 我が思ふ君に逢はず死にせめ
- 次の歌
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皆人を寝よとの鐘は打つなれど 君をし思へば寐ねかてぬかも