皆人を寝よとの鐘は打つなれど
君をし思へば寐ねかてぬかも
- 歌の意味
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皆の人に寝なさいと告げる鐘は打たれているようだけれど、あなたのことを思うと、私は眠ることができない。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 607
詞書は前の歌に続き「笠女郎の大伴宿祢家持に贈る歌二十四首」
人々に寝る時刻を告げる鐘が打たれるのが聞こえるけれど、あなたを思うと眠れないと詠む歌である。都で時刻を告げた鐘の音を詠み込んだ点が珍しく、平城京の暮らしを背景にした一首である。
作者の笠女郎は、奈良時代の女流歌人で、大伴家持に多くの恋の歌を贈った。伝は未詳である。
初句「皆人を」は、皆の人をの意である。
二句「寝よとの鐘は」は、寝なさいという鐘はの意で、就寝の時刻を告げる鐘を指す。
三句「打つなれど」の「なれ」は伝聞推定の助動詞で、打つのが聞こえるけれどの意となる。
四句「君をし思へば」の「し」は強意で、あなたを思うとの意となる。
結句「寐ねかてぬかも」の「寐ぬ」は眠る、「かてぬ」はできないの意、「かも」は詠嘆である。本巻の第四百九十七首の「寐ねかてずけむ」と同じく、恋に眠れぬ夜を言う語である。
かね:時刻を知らせるために打つ鐘
- 作者
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笠女郎
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我れも思ふ人もな忘れおほなわに 浦吹く風のやむ時もなし
- 次の歌
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相思はぬ人を思ふは大寺の 餓鬼の後方に額つくごとし