心ゆも我は思はずきまたさらに
我が故郷に帰り来むとは
- 歌の意味
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少しも思わなかった。再び私の故郷に帰って来ることになろうとは。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 609
詞書は前の歌に続き「笠女郎の大伴宿祢家持に贈る歌二十四首」
二十四首の最後の二首の一首目で、左注によれば、この二首は別れた後に改めて贈ったものである。再び故郷に帰って来ることになろうとは思いもしなかったと、都を離れて故郷に戻った身の嘆きを詠む。本巻の第六百一首と同じ上二句「心ゆも我は思はずき」をもち、同じ嘆きの言葉が一連の終わり近くで繰り返されている。
作者の笠女郎は、奈良時代の女流歌人で、大伴家持に多くの恋の歌を贈った。伝は未詳である。
初句「心ゆも」の「ゆ」は起点を表す上代の格助詞で、打消と呼応して少しもの意となる。第六百一首と同じ歌い出しである。
二句「我は思はずき」の「き」は過去の助動詞で、思わなかったの意である。ここで切れる二句切れとなる。
三句「またさらに」は、再び、改めての意である。
四句「我が故郷に」は、私の故郷にの意で、都を離れて故郷に帰ったことを示す。
結句「帰り来むとは」は、帰って来ることになろうとはの意で、倒置によって二句に返る。
ふるさと:古くからなじんだ土地、生まれ故郷
- 作者
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笠女郎
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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相思はぬ人を思ふは大寺の 餓鬼の後方に額つくごとし
- 次の歌
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近くあれば見ねどもあるをいや遠く 君がいまさば有りかつましじ