絶ゆと言はばわびしみせむと焼大刀の
へつかふことは幸くや我が君
- 歌の意味
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別れると言えば私が悲しむだろうと思って、焼いて鍛えた太刀のように身近に寄り添ってくださるのは、よいことでしょうか、あなた。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 641
詞書「娘子のまた報へ贈る歌一首」
別れを切り出せば私が悲しむだろうと思って、未練がましくそばに寄り添っているのはよいことなのかと問いかける歌である。相手の優柔不断をなじりつつ、別れを察した寂しさがにじむ。語義に諸説がある難解な歌とされる。
作者は、湯原王と歌を交わした女性で、名は伝わらない。
初句「絶ゆと言はば」は六音の字余りで、別れると言えばの意である。
二句「わびしみせむと」は、私が悲しむだろうとの意である。
三句「焼大刀の」は、焼いて鍛えた太刀のの意で、身に添えることから「へつかふ」にかかる枕詞とされる。
四句「へつかふことは」の「へつかふ」はそばに寄り添うの意で、寄り添ってくださるのはの意となる。
結句「幸くや我が君」は八音の字余りで、よいことでしょうか、あなたの意とされるが、語義には諸説がある。
へつかふ:そばに寄り添う、近づく
やきたち:焼いて鍛えた太刀
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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はしけやし間近き里を雲居にや 恋ひつつ居らむ月も経なくに
- 次の歌
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我妹子に恋ひて乱ればくるべきに 懸けて寄せむと我が恋ひそめし