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玉守に玉は授けてかつがつも
枕と我れはいざふたり寝む

歌の意味
玉の番人に玉は授けてしまって、ひとまずは、枕と私とで、さあ二人で寝よう。
鑑賞
巻第四 相聞 652

詞書は前の歌に続き「大伴坂上郎女の歌二首」
 大切に育てた娘を婿に嫁がせた母の心を、玉を玉守に授けたとたとえ、残された自分は枕と二人で寝ようと詠む歌である。坂上郎女が娘の坂上大嬢を家持に嫁がせたときの歌とみる説がある。寂しさをユーモアに包んで表している。
 作者の大伴坂上郎女は、大伴安麻呂の娘で、大伴旅人の異母妹にあたる。万葉集に多くの歌を残し、女流歌人として重んじられている。

 初句「玉守に」は、玉を守る番人にの意で、娘の夫のたとえである。
 二句「玉は授けて」は、玉は授けての意で、玉は大切な娘のたとえである。
 三句「かつがつも」は、どうにかこうにか、ひとまずの意である。
 四句「枕と我れは」は、枕と私とはの意である。
 結句「いざふたり寝む」の「む」は意志で、さあ二人で寝ようの意となる。枕を相手に見立てたユーモアで結んでいる。

たまもり:玉を守る者。ここでは娘の夫のたとえ
作者
大伴坂上郎女
出典
万葉集
前の歌
ひさかたの天の露霜置きにけり 家なる人も待ち恋ひぬらむ
次の歌
心には忘れぬものをたまさかに 見ぬ日さまねく月ぞ経にける