汝をと我を人ぞ離くなるいで我が君
人の中言聞きこすなゆめ
- 歌の意味
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あなたと私の仲を人が裂こうとしているという。さあ、あなた、人の中傷の言葉を決してお聞きにならないで。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 660
詞書は前の歌に続き「大伴坂上郎女の歌六首」
二人の仲を人が裂こうとしているというので、人の中傷を決して聞き入れないでほしいと頼む歌である。前歌の噂への苛立ちに続き、噂から恋を守ろうとする心を示している。
作者の大伴坂上郎女は、大伴安麻呂の娘で、大伴旅人の異母妹にあたる。万葉集に多くの歌を残し、女流歌人として重んじられている。
初句「汝をと我を」は、あなたと私をの意である。
二句「人ぞ離くなる」の「なる」は伝聞推定で、「ぞ」の結びとなり、人が裂こうとしているというの意となる。ここで切れる二句切れである。
三句「いで我が君」は六音の字余りで、「いで」は呼びかけの語、さあ、あなたの意となる。
四句「人の中言」は、人の中傷の言葉の意である。
結句「聞きこすなゆめ」の「こす」は「〜てくれる」、「な」は禁止、「ゆめ」は決しての意で、決して聞き入れないでくださいの意となる。
なかごと:人の仲を裂くための中傷の言葉
さく:離す、仲を裂く
- 作者
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大伴坂上郎女
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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あらかじめ人言繁しかくしあらば しゑや我が背子奥もいかにあらめ
- 次の歌
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恋ひ恋ひて逢へる時だにうるはしき 言尽してよ長くと思はば