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石上降るとも雨につつまめや
妹に逢はむと言ひてしものを

歌の意味
たとえ雨が降っても、雨を理由に家にこもっていようか。あの子に逢おうと約束してしまったのだから。
鑑賞
巻第四 相聞 664

詞書「大伴宿祢像見の歌一首」
 たとえ雨が降っても、雨を避けて家にこもったりはしない、逢おうと約束したのだからと、恋人との約束を守る決意を詠む歌である。本巻の第五百十九首、第五百二十首の「雨障み」の歌と対照的に、雨をものともせず訪れる男の心を示している。
 作者の大伴像見は、大伴氏の官人である。

 初句「石上」は、石上の布留の地名から「降る」にかかる枕詞である。
 二句「降るとも雨に」は、たとえ雨が降ってもの意である。
 三句「つつまめや」の「つつむ」は雨を避けてこもるの意、「めや」は反語で、こもっていようか、いやこもらないの意となる。ここで切れる三句切れである。
 四句「妹に逢はむと」は、あの子に逢おうとの意である。
 結句「言ひてしものを」は、言ってしまったのだからの意で、約束の重さを示して結ぶ。

つつむ:雨などを避けて家にこもる
作者
大伴像見
出典
万葉集
前の歌
佐保渡り我家の上に鳴く鳥の 声なつかしきはしき妻の子
次の歌
向ひ居て見れども飽かぬ我妹子に 立ち別れ行かむたづき知らずも