- 歌の意味
- 向かい合っていくら見ても見飽きないあなたと、別れて行く手立てもわからないことだ。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 665
詞書「安倍朝臣虫麻呂の歌一首」
向かい合って見ても見飽きない人と、どうやって別れて行けばよいのかわからないと詠む歌である。別れがたい思いを率直に表している。次の二首の坂上郎女の歌とともに、親しい間柄での戯れのやりとりとみられる。
作者の安倍虫麻呂は、奈良時代の官人で、坂上郎女とは母方の従兄妹にあたる。
初句「向ひ居て」は、向かい合っていての意である。
二句「見れども飽かぬ」は、見ても見飽きないの意である。
三句「我妹子に」は、いとしい人にの意である。
四句「立ち別れ行かむ」は八音の字余りで、別れて行くであろうの意である。
結句「たづき知らずも」は、その手立てもわからないことだの意で、「も」は詠嘆である。
たづき:手立て、方法
- 作者
- 安倍虫麻呂
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 石上降るとも雨につつまめや 妹に逢はむと言ひてしものを
- 次の歌
- 相見ぬは幾久さにもあらなくに ここだく我れは恋ひつつもあるか