相見ぬは幾久さにもあらなくに
ここだく我れは恋ひつつもあるか
- 歌の意味
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逢わないでいるのは、それほど長い間でもないのに、これほどまでに私は恋い続けていることか。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 666
詞書「大伴坂上郎女の歌二首」
逢わずにいるのはそれほど長い間でもないのに、これほど恋しく思っていると詠む歌である。前歌の安倍虫麻呂の歌に応じた戯れの歌とみられる。
左注によれば、坂上郎女の母の石川内命婦と安倍虫麻呂の母の安曇外命婦とは同居する姉妹で、親しい間柄であった。そのため郎女と虫麻呂も疎遠でなく親しく語り合い、戯れの歌を作って問答したという。
作者の大伴坂上郎女は、大伴安麻呂の娘で、大伴旅人の異母妹にあたる。万葉集に多くの歌を残し、女流歌人として重んじられている。
初句「相見ぬは」は、逢わないでいることはの意である。
二句「幾久さにも」は、どれほど長い間にもの意である。
三句「あらなくに」は、ないのにの意である。
四句「ここだく我れは」は、これほどまでに私はの意である。
結句「恋ひつつもあるか」は八音の字余りで、恋い続けていることかの意となる。
いくひささ:どれほど長い間
- 作者
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大伴坂上郎女
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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向ひ居て見れども飽かぬ我妹子に 立ち別れ行かむたづき知らずも
- 次の歌
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恋ひ恋ひて逢ひたるものを月しあれば 夜は隠るらむしましはあり待て