古典和歌stream

月読の光りは清く照らせれど
惑へる心思ひあへなくに

歌の意味
月の光は清らかに照らしているけれど、迷い乱れる心は、行こうと思い定めることもできないのに。
鑑賞
巻第四 相聞 671

詞書「和ふる歌一首 作者を審らかにせず」
 前歌の湯原王の誘いに和した歌である。月の光は清く照らしているが、心が迷い乱れて行こうと決心することもできないと答える。前歌と同じ「月読の光り」の句で歌い出して応じている。
 作者は詞書に「作者を審らかにせず」とあり、明らかでない。

 初句「月読の」は、前歌と同じ歌い出しである。
 二句「光りは清く」は、光は清らかにの意で、前歌の「光りに来ませ」を受けている。
 三句「照らせれど」は、照らしているけれどの意である。
 四句「惑へる心」は、迷い乱れる心の意である。
 結句「思ひあへなくに」の「あふ」は十分に〜しきるの意で、思い定めることもできないのにの意となる。

まどふ:心が乱れる、迷う
出典
万葉集
前の歌
月読の光りに来ませあしひきの 山きへなりて遠からなくに
次の歌
しつたまき数にもあらぬ命もて 何かここだく我が恋ひわたる