- 歌の意味
- 海の底の奥深くのように、心の奥深くから思っているあなたには、必ず逢おう。たとえ年が経っても。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 676
詞書は前の歌に続き「中臣女郎の大伴宿祢家持に贈る歌五首」
海の底のように深く思う相手に、年月が経っても必ず逢おうと誓う歌である。深い海の比喩によって、思いの深さを表している。
作者の中臣女郎は、中臣氏の女性で、伝は未詳である。大伴家持に恋の歌を贈った女性の一人である。
初句「海の底」は、海の底が深いことから「奥」にかかる枕詞である。
二句「奥を深めて」は、心の奥深くからの意である。
三句「我が思へる」は六音の字余りで、私が思っているの意である。
四句「君には逢はむ」の「む」は意志で、あなたには逢おうの意となる。ここで切れる四句切れである。
結句「年は経ぬとも」は、年が経ってもの意で、倒置によって決意の固さを示している。
わたのそこ:海の底
- 作者
- 中臣女郎
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- をみなへし佐紀沢に生ふる花かつみ かつても知らぬ恋もするかも
- 次の歌
- 春日山朝居る雲のおほほしく 知らぬ人にも恋ふるものかも