けだしくも人の中言聞かせかも
ここだく待てど君が来まさぬ
- 歌の意味
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もしかしたら、人の中傷をお聞きになったのだろうか。こんなにも待っているのに、あなたがおいでにならないのは。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 680
詞書「大伴宿祢家持の交遊と別るる歌三首」
大伴家持が親しい友と別れる際に詠んだ三首の最初の歌である。こんなに待っているのに来てくれないのは、誰かの中傷を聞いたからだろうかと、友の心変わりを案じる。友情を恋の言葉で表した歌である。本巻の第六百六十首の坂上郎女の歌と同じく「人の中言」を詠み、中傷を恐れる心が響き合っている。
作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、万葉集の編纂に深くかかわったとされる歌人である。のちに中納言に至った。
初句「けだしくも」は、もしかしたらの意である。
二句「人の中言」は、人の中傷の言葉の意で、第六百六十首の四句と同じ語である。
三句「聞かせかも」の「聞かす」は「聞く」の尊敬語で、お聞きになったからだろうかの意となる。結びは結句の連体形である。
四句「ここだく待てど」は、こんなにも待っているのにの意である。
結句「君が来まさぬ」の「ぬ」は打消の助動詞「ず」の連体形で、あなたがおいでにならないの意となる。
なかごと:人の仲を裂くための中傷の言葉
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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いなと言はば強ひめや我が背菅の根の 思ひ乱れて恋ひつつもあらむ
- 次の歌
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なかなかに絶ゆとし言はばかくばかり 息の緒にして我れ恋ひめやも