うるはしと我が思ふ心速川の
塞きに塞くともなほや崩えなむ
- 歌の意味
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いとしいと私が思う心は、流れの速い川をせき止めてもせき止めても、やはり崩れてしまうだろう。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 687
詞書は前の歌に続き「大伴坂上郎女の歌七首」
いとしいと思う心は、速い川を堰き止めようとしても堰が崩れるように、抑えようとしても抑えきれないと詠む歌である。激しい恋心を奔流にたとえた、力強い比喩の歌である。
作者の大伴坂上郎女は、大伴安麻呂の娘で、大伴旅人の異母妹にあたる。万葉集に多くの歌を残し、女流歌人として重んじられている。
初句「うるはしと」は、いとしいとの意である。
二句「我が思ふ心」は、私が思う心の意である。
三句「速川の」は、流れの速い川のの意である。
四句「塞きに塞くとも」は、堰き止めに堰き止めてもの意で、同じ語を重ねて懸命に抑える様子を表す。
結句「なほや崩えなむ」の「や」は疑問、「な」は完了、「む」は推量で、やはり崩れてしまうだろうかの意となる。
せく:水の流れを止める
くゆ:崩れる
- 作者
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大伴坂上郎女
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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このころは千年や行きも過ぎぬると 我れやしか思ふ見まく欲りかも
- 次の歌
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青山を横ぎる雲のいちしろく 我れと笑まして人に知らゆな