青山を横ぎる雲のいちしろく
我れと笑まして人に知らゆな
- 歌の意味
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青い山を横切る雲がはっきり見えるように、はっきりと私に微笑みかけて、人に気づかれないでください。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 688
詞書は前の歌に続き「大伴坂上郎女の歌七首」
青い山を横切る白雲がくっきり目立つように、人前で私にはっきり微笑みかけて、二人の仲を人に知られることのないようにしてほしいと頼む歌である。本巻の第六百八十三首と同じく、恋が人に知られることを恐れる心を詠んでいる。
作者の大伴坂上郎女は、大伴安麻呂の娘で、大伴旅人の異母妹にあたる。万葉集に多くの歌を残し、女流歌人として重んじられている。
初句「青山を」は、青々とした山をの意である。
二句「横ぎる雲の」は、横切る雲のの意で、初句と合わせて三句の「いちしろく」を導く序詞となる。
三句「いちしろく」は、はっきりと、目立っての意である。
四句「我れと笑まして」の「笑ます」は「笑む」の尊敬語で、私に微笑みかけての意となる。
結句「人に知らゆな」の「ゆ」は受身、「な」は禁止で、人に知られないでくださいの意となる。
よこぎる:横切る
ゑむ:微笑む
- 作者
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大伴坂上郎女
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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うるはしと我が思ふ心速川の 塞きに塞くともなほや崩えなむ
- 次の歌
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海山も隔たらなくに何しかも 目言をだにもここだ乏しき