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恋草を力車に七車
積みて恋ふらく我が心から

歌の意味
恋の草を荷車に七台分も積むほどに恋い慕うのは、ほかでもない、私自身の心から出たことだ。
鑑賞
巻第四 相聞 694

詞書「広河女王の歌二首 穂積皇子の孫女、上道王の女なり」
 恋の思いを草にたとえ、それを荷車七台分も積むほど恋い焦がれるのは自分の心のせいだと詠む歌である。恋を草の量で表す奇抜な比喩が印象的で、自らの恋心を半ば自嘲気味に見つめている。
 作者の広河女王は、詞書の注によれば穂積皇子の孫で、上道王の娘である。

 初句「恋草を」は、恋の思いの多さを草にたとえた語である。
 二句「力車に」は、荷物を運ぶ車にの意である。
 三句「七車」は、七台の車の意で、恋の量の多さを誇張している。
 四句「積みて恋ふらく」の「恋ふらく」は「恋ふ」のク語法で、積んで恋い慕うことはの意となる。
 結句「我が心から」は、私の心からの意で、恋の原因を自らの心に求めて結ぶ。

こひぐさ:恋の思いの多さを草にたとえた語
ちからぐるま:荷物を運ぶための車
作者
広河女王
出典
万葉集
前の歌
かくのみし恋ひやわたらむ秋津野に たなびく雲の過ぐとはなしに
次の歌
恋は今はあらじと我れは思へるを いづくの恋ぞつかみかかれる