春日野に朝居る雲のしくしくに
我れは恋ひ増す月に日に異に
- 歌の意味
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春日野に朝かかる雲が重なるように、しきりに私の恋はつのる。月ごと日ごとに。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 698
詞書は前の歌に続き「大伴宿祢像見の歌三首」
春日野に朝かかる雲が幾重にも重なるように、恋しさがしきりにつのると詠む歌である。本巻の第六百七十七首の中臣女郎の歌と同じく春日の朝の雲を序に用い、結句は第五百九十八首の笠女郎の歌と同じ「月に日に異に」であって、他の歌と言葉を共有している。
作者の大伴像見は、大伴氏の官人である。
初句「春日野に」は、春日野にの意である。
二句「朝居る雲の」は、朝かかっている雲のの意で、第六百七十七首の二句と同じ句である。
三句「しくしくに」は、しきりに、重ねての意で、初句と二句の序を受けている。
四句「我れは恋ひ増す」は、私の恋はつのるの意で、ここで切れる四句切れである。
結句「月に日に異に」は、月ごと日ごとにますますの意で、第五百九十八首と同じ結句である。
ゐる:雲などがとどまる、かかる
- 作者
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大伴像見
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が聞きに懸けてな言ひそ刈り薦の 乱れて思ふ君が直香ぞ
- 次の歌
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一瀬には千たび障らひ行く水の 後にも逢はむ今にあらずとも