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ぬばたまのその夜の月夜今日までに
我れは忘れず間なくし思へば

歌の意味
あの夜の月の光を、今日まで私は忘れない。絶え間なくあなたを思っているので。
鑑賞
巻第四 相聞 702

詞書は前の歌に続き「河内百枝娘子の大伴宿祢家持に贈る歌二首」
 二首の二首目で、あなたに逢ったあの夜の月の光を、今日まで忘れていないと詠む。絶え間なく思い続けているからだと、変わらぬ恋心を述べている。
 作者の河内百枝娘子は、伝未詳の女性で、大伴家持と歌を交わした。

 初句「ぬばたまの」は「夜」にかかる枕詞である。
 二句「その夜の月夜」は、あの夜の月の光の意である。
 三句「今日までに」は、今日までの意である。
 四句「我れは忘れず」は、私は忘れないの意で、ここで切れる四句切れである。
 結句「間なくし思へば」の「し」は強意で、絶え間なく思うのでの意となる。倒置によって理由を示している。

つくよ:月。月の光。また月夜
作者
河内百枝娘子
出典
万葉集
前の歌
はつはつに人を相見ていかにあらむ いづれの日にかまた外に見む
次の歌
我が背子を相見しその日今日までに 我が衣手は干る時もなし