- 歌の意味
- あなたに逢ったあの日から今日まで、私の袖は涙で乾く時もない。
- 鑑賞
-
巻第四 相聞 703
詞書「巫部麻蘇娘子の歌二首」
あなたに逢ったあの日から今日まで、涙で袖が乾く時もないと詠む歌である。前歌の河内百枝娘子の歌と同じく「今日までに」の句を用い、逢った日から続く思いを詠んでいる。
作者の巫部麻蘇娘子は、伝未詳の女性である。
初句「我が背子を」は、あなたをの意である。
二句「相見しその日」は、逢ったあの日の意である。
三句「今日までに」は、今日までの意で、前歌の三句と同じ句である。
四句「我が衣手は」は、私の袖はの意である。
結句「干る時もなし」は、乾く時もないの意で、涙に濡れ続ける袖を示して結ぶ。
ころもで:衣の袖
ふ:乾く
- 作者
- 巫部麻蘇娘子
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- ぬばたまのその夜の月夜今日までに 我れは忘れず間なくし思へば
- 次の歌
- 栲縄の長き命を欲りしくは 絶えずて人を見まく欲りこそ