はねかづら今する妹はなかりしを
いづれの妹ぞここだ恋ひたる
- 歌の意味
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はねかずらを今つけたばかりの娘などいなかったのに、いったいどの娘をそんなに恋しく思っていらっしゃるのですか。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 706
詞書「童女の来り報ふる歌一首」
前歌の家持の歌に童女が答えた歌である。はねかずらを今つけた娘などいなかったのに、いったいどの娘をそれほど恋しく思っているのかと、とぼけて切り返す。前歌と同じ上の句を用いた、機知に富む返歌である。
作者は、家持から歌を贈られた童女で、名は伝わらない。
初句「はねかづら」は、前歌と同じ歌い出しである。
二句「今する妹は」は、今つけた娘はの意で、前歌の二句を受けている。
三句「なかりしを」は、いなかったのにの意で、「を」は逆接の接続助詞である。
四句「いづれの妹ぞ」は、どの娘をの意で、係助詞「ぞ」の結びは結句の「る」である。
結句「ここだ恋ひたる」は、それほど恋しく思っているのかの意となる。
はねかづら:少女が成人の年ごろになってつけた髪飾り
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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はねかづら今する妹を夢に見て 心のうちに恋ひわたるかも
- 次の歌
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思ひ遣るすべの知らねば片もひの 底にぞ我れは恋ひ成りにける