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垣ほなす人言聞きて我が背子が
心たゆたひ逢はぬこのころ

歌の意味
垣根のように取り巻く人の噂を聞いて、あなたの心が揺れ動き、逢ってくれないこのごろだ。
鑑賞
巻第四 相聞 713

詞書は前の歌に続き「丹波大女娘子の歌三首」
 垣根のように周りを取り囲む人の噂を聞いて、恋人の心が揺らぎ、逢ってくれなくなったと嘆く歌である。三首の最後に置かれ、恋の不安で一連を結んでいる。
 作者の丹波大女娘子は、伝未詳の女性である。

 初句「垣ほなす」の「なす」は「〜のように」の意で、垣根のようにの意となる。
 二句「人言聞きて」は、人の噂を聞いての意である。
 三句「我が背子が」は、あなたがの意である。
 四句「心たゆたひ」は、心が揺れ動きの意である。
 結句「逢はぬこのころ」は、逢ってくれないこのごろだの意で、体言止めで結ぶ。

かきほ:垣根
たゆたふ:心が揺れ動く、ためらう
作者
丹波大女娘子
出典
万葉集
前の歌
味酒を三輪の祝がいはふ杉 手触れし罪か君に逢ひかたき
次の歌
心には思ひわたれどよしをなみ 外のみにして嘆きぞ我がする