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ますらをと思へる我れをかくばかり
みつれにみつれ片思をせむ

歌の意味
立派な男子だと思っている私が、これほどまでにやつれにやつれて、片思いをすることになろうとは。
鑑賞
巻第四 相聞 719

詞書は前の歌に続き「大伴宿祢家持の娘子に贈る歌七首」
 自分を立派な男子だと思っていたのに、これほどやつれて片思いをするとはと、恋に弱る自分を嘆く歌である。「ますらを」の誇りと片思いの弱さとの対比に、自嘲がこもる。
 作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、万葉集の編纂に深くかかわったとされる歌人である。のちに中納言に至った。

 初句「ますらをと」は、立派な男子だとの意である。
 二句「思へる我れを」は、思っている私がの意である。
 三句「かくばかり」は、これほどの意である。
 四句「みつれにみつれ」の「みつる」はやつれるの意で、同じ語を重ねてやつれにやつれての意となる。
 結句「片思をせむ」は、片思いをするのだろうかの意で、自らの姿への驚きを込めて結ぶ。

みつる:やつれる、疲れ衰える
作者
大伴家持
出典
万葉集
前の歌
思はぬに妹が笑ひを夢に見て 心のうちに燃えつつぞ居る
次の歌
むらきもの心砕けてかくばかり 我が恋ふらくを知らずかあるらむ