朝髪の思ひ乱れてかくばかり
汝姉が恋ふれぞ夢に見えける
- 歌の意味
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朝の寝乱れた髪のように思い乱れて、これほどあなたが恋い慕うからこそ、私の夢にあなたが見えたのだ。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 724
詞書は前の歌に続き「反歌」
坂上郎女が跡見の庄から、留守宅にいる娘の坂上大嬢に贈った長歌(第七百二十三首)の反歌である。朝の乱れ髪のように思い乱れて、あなたがこれほど私を恋しく思うからこそ夢に見えたのだと詠む。左注によれば、この歌は大嬢から贈られた歌に答えたものである。母が娘を思う情愛を、恋の歌の言葉で表している。
作者の大伴坂上郎女は、大伴安麻呂の娘で、大伴旅人の異母妹にあたる。万葉集に多くの歌を残し、女流歌人として重んじられている。
初句「朝髪の」は、朝の寝乱れた髪が乱れていることから「思ひ乱る」にかかる枕詞である。
二句「思ひ乱れて」は、思い乱れての意である。
三句「かくばかり」は、これほどの意である。
四句「汝姉が恋ふれぞ」の「汝姉」は親しい女性を呼ぶ語で、ここでは娘の大嬢を指す。「恋ふれぞ」は恋い慕うからこそとの意で、「ぞ」の結びは結句の「ける」である。
結句「夢に見えける」は、夢に見えたのだの意で、連体形で結ぶ。
なね:親しい女性を呼ぶ語。ここでは娘を指す
あさかみ:朝の寝乱れた髪
- 作者
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大伴坂上郎女
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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かくばかり恋ひつつあらずは石木にも ならましものを物思はずして
- 次の歌
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にほ鳥の潜く池水心あらば 君に我が恋ふる心示さね