忘れ草我が下紐に付けたれど
醜の醜草言にしありけり
- 歌の意味
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忘れ草を私の下紐に付けたけれど、このろくでもない草は、名ばかりで少しも役に立たなかった。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 727
詞書「大伴宿祢家持の坂上家の大嬢に贈る歌二首 離絶すること数年、また会ひて相聞往来す」
数年の間途絶えていた坂上大嬢との仲が再び始まったときに、家持が贈った二首の最初の歌である。恋の苦しみを忘れようと忘れ草を下紐に付けたが、名ばかりで何の効き目もなかったと、忘れ草をののしる。忘れようとしても忘れられなかった思いを、ユーモアを交えて伝えている。
作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、万葉集の編纂に深くかかわったとされる歌人である。のちに中納言に至った。
初句「忘れ草」は、身につけると憂いを忘れるとされた萱草のことである。
二句「我が下紐に」は、下着の紐にの意である。
三句「付けたれど」は、付けたけれどの意で、「ど」は逆接である。
四句「醜の醜草」の「醜」はののしる意で、ろくでもない草の意となる。
結句「言にしありけり」の「けり」は気づきを表し、名ばかりのものだったのだの意となる。
わすれぐさ:萱草。身につけると憂いを忘れるとされた
したひも:下着の紐
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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外に居て恋ひつつあらずは君が家の 池に住むといふ鴨にあらましを
- 次の歌
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人もなき国もあらぬか我妹子と たづさはり行きて副ひて居らむ