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うつせみの世やも二行く何すとか
妹に逢はずて我がひとり寝む

歌の意味
この世は二度とめぐって来るものだろうか。どうしてあなたに逢わずに、私はひとりで寝ることがあろう。
鑑賞
巻第四 相聞 733

詞書は前の歌に続き「また大伴宿祢家持の和ふる歌三首」
 この世は二度と繰り返されないのに、どうしてあなたに逢わずに独り寝をすることがあろうかと、今を大切にして逢いたいと訴える歌である。
 作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、万葉集の編纂に深くかかわったとされる歌人である。のちに中納言に至った。

 初句「うつせみの」は「世」にかかる枕詞である。
 二句「世やも二行く」の「やも」は反語で、この世は二度めぐって来るだろうか、いや来ないの意となる。ここで切れる二句切れである。
 三句「何すとか」は、どうしての意で、前歌の坂上大嬢の第七百三十首の三句と同じ句である。
 四句「妹に逢はずて」は、あなたに逢わずにの意である。
 結句「我がひとり寝む」は、私がひとりで寝ようかの意で、「む」の連体形で結ぶ。

ふたゆく:二度めぐって来る、二度繰り返す
作者
大伴家持
出典
万葉集
前の歌
今しはし名の惜しけくも我れはなし 妹によりては千たび立つとも
次の歌
我が思ひかくてあらずは玉にもが まことも妹が手に巻かれなむ