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月夜には門に出で立ち夕占問ひ
足占をぞせし行かまくを欲り

歌の意味
月夜には門に出て立ち、夕占を問い、足占までしたのだ。あなたのもとへ行きたいと思って。
鑑賞
巻第四 相聞 736

詞書「また家持の坂上大嬢に和ふる歌一首」
 前歌の坂上大嬢の歌に答えた家持の歌である。月夜には門に出て夕占や足占をし、あなたのもとへ行けるかどうかを占ったと詠む。独り寝を嘆く大嬢に対し、自分も逢いに行きたいと思っていたことを伝えている。前歌の「照れる月夜」を受けて「月夜には」と歌い出している。
 作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、万葉集の編纂に深くかかわったとされる歌人である。のちに中納言に至った。

 初句「月夜には」は、月の夜にはの意で、前歌の四句「照れる月夜に」を受けている。
 二句「門に出で立ち」は、門に出て立ちの意である。
 三句「夕占問ひ」は、夕方に道行く人の言葉を聞いて吉凶を占う夕占をしての意である。
 四句「足占をぞせし」は、歩数などで吉凶を占う足占をしたの意で、係助詞「ぞ」を受けて連体形「し」で結ぶ。ここで切れる四句切れである。
 結句「行かまくを欲り」の「行かまく」は「行かむ」のク語法で、行きたいと思っての意となる。倒置によって占いの目的を示している。

ゆふけ:夕方、道行く人の言葉を聞いて吉凶を占うこと
あしうら:歩数などによって吉凶を占うこと
作者
大伴家持
出典
万葉集
前の歌
春日山霞たなびき心ぐく 照れる月夜にひとりかも寝む
次の歌
かにかくに人は言ふとも若狭道の 後瀬の山の後も逢はむ君