夢の逢ひは苦しかりけりおどろきて
掻き探れども手にも触れねば
- 歌の意味
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夢の中での逢瀬は苦しいものだ。目が覚めて手探りしても、手にも触れないのだから。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 741
詞書「さらに大伴宿祢家持の坂上大嬢に贈る歌十五首」
家持が坂上大嬢に贈った十五首の最初の歌である。夢の中で逢えても、目覚めて手探りしてみても手に触れないので、かえって苦しいと詠む。中国の小説『遊仙窟』の一節をふまえた歌とされ、漢籍の教養が恋の歌に生かされている。
作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、万葉集の編纂に深くかかわったとされる歌人である。のちに中納言に至った。
初句「夢の逢ひは」は六音の字余りで、夢の中での逢瀬はの意である。
二句「苦しかりけり」の「けり」は気づきを表し、苦しいものだの意となる。ここで切れる二句切れである。
三句「おどろきて」は、目が覚めての意である。
四句「掻き探れども」は、手探りしてもの意である。
結句「手にも触れねば」は、手にも触れないのでの意で、倒置によって苦しさの理由を示している。
おどろく:目が覚める
かきさぐる:手探りする
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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言のみを後も逢はむとねもころに 我れを頼めて逢はざらむかも
- 次の歌
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一重のみ妹が結ばむ帯をすら 三重結ぶべく我が身はなりぬ