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かくばかり面影にのみ思ほえば
いかにかもせむ人目繁くて

歌の意味
これほど面影にばかり浮かんで思われるならば、どうしたらよいのだろう。人目が多くて逢えないのに。
鑑賞
巻第四 相聞 752

詞書は前の歌に続き「さらに大伴宿祢家持の坂上大嬢に贈る歌十五首」
 これほど面影ばかりに浮かんで恋しいのに、人目が多くて逢えず、どうしたらよいのかと嘆く歌である。
 作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、万葉集の編纂に深くかかわったとされる歌人である。のちに中納言に至った。

 初句「かくばかり」は、これほどの意である。
 二句「面影にのみ」は、面影にばかりの意で、実際には逢えないことを示す。
 三句「思ほえば」は、思われるならばの意である。
 四句「いかにかもせむ」は、どうしたらよいだろうの意で、ここで切れる四句切れである。
 結句「人目繁くて」は、人目が多くての意で、倒置によって嘆きの理由を示している。

おもかげ:心に浮かぶ人の姿
作者
大伴家持
出典
万葉集
前の歌
相見ては幾日も経ぬをここだくも くるひにくるひ思ほゆるかも
次の歌
相見てはしましも恋はなぎむかと 思へどいよよ恋ひまさりけり