夜のほどろ我が出でて来れば我妹子が
思へりしくし面影に見ゆ
- 歌の意味
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夜明け前のほの暗いころに私が出て来ると、いとしいあの人が思い沈んでいた様子が、面影に浮かんで見える。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 754
詞書は前の歌に続き「さらに大伴宿祢家持の坂上大嬢に贈る歌十五首」
夜明け前に恋人のもとを出て来ると、別れを悲しんで思い沈んでいた相手の様子が面影に浮かぶと詠む歌である。共に過ごした夜が明ける前の別れの情景を詠んでいる。
作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、万葉集の編纂に深くかかわったとされる歌人である。のちに中納言に至った。
初句「夜のほどろ」は、夜明け前のほの暗いころの意である。
二句「我が出でて来れば」は八音の字余りで、私が出て来るとの意である。
三句「我妹子が」は、いとしい人がの意である。
四句「思へりしくし」は、思い沈んでいた様子がの意で、「思へりしく」はク語法の形である。
結句「面影に見ゆ」は、面影に見えるの意で、終止形で結ぶ。
ほどろ:夜が明けはじめるころ
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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相見てはしましも恋はなぎむかと 思へどいよよ恋ひまさりけり
- 次の歌
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夜のほどろ出でつつ来らくたび数多く なれば我が胸断ち焼くごとし