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いかならむ時にか妹を葎生の
汚なきやどに入りいませてむ

歌の意味
いったいいつになったら、妹をこの葎の生い茂るむさ苦しい家にお迎えできるのだろう。
鑑賞
巻第四 相聞 759

詞書は前の歌に続き「大伴田村家の大嬢の妹坂上大嬢に贈る歌四首」
 四首の最後の歌で、いつになったら妹を、葎の生い茂るみすぼらしい我が家に迎え入れることができるのだろうと詠む。自分の家をへりくだって言い、妹の訪れを心待ちにする思いを表している。
 左注によれば、田村大嬢と坂上大嬢はともに大伴宿奈麻呂の娘で、父が田村の里に住んだことから姉は田村大嬢と呼ばれ、妹は母の坂上郎女が坂上の里に住んだことから坂上大嬢と呼ばれた。このとき姉妹は歌を贈り合って安否を問うたという。
 作者の大伴田村大嬢は、大伴宿奈麻呂の娘で、坂上大嬢の異母姉にあたる。

 初句「いかならむ」は、どのようなの意である。
 二句「時にか妹を」の「か」は疑問の係助詞で、時に妹をの意となる。結びは結句の「む」である。
 三句「葎生の」は、葎の生い茂っているの意である。
 四句「汚なきやどに」は、むさ苦しい家にの意で、自分の家をへりくだっていう。
 結句「入りいませてむ」は、お入れ申し上げられるだろうかの意で、「む」の連体形で結ぶ。

むぐらふ:葎の生い茂った所
やど:家、住まい
作者
大伴田村大嬢
出典
万葉集
前の歌
白雲のたなびく山の高々に 我が思ふ妹を見むよしもがも
次の歌
うち渡す武田の原に鳴く鶴の 間なく時なし我が恋ふらくは