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百千たび恋ふと言ふとも諸弟らが
練りのことばは我れは頼まじ

歌の意味
百回千回と恋しいと言っても、諸弟らの巧みな言葉を、私はもう頼みにしまい。
鑑賞
巻第四 相聞 774

詞書は前の歌に続き「大伴宿祢家持の久迩京より坂上大嬢に贈る歌五首」
 五首の最後の歌で、どれほど恋しいと言われても、諸弟らの巧みな言葉はもう信じまいと詠む。前歌を受けて、取り次ぐ使いの言葉への不信を重ねている。
 作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、万葉集の編纂に深くかかわったとされる歌人である。のちに中納言に至った。

 初句「百千たび」は、百回千回の意である。
 二句「恋ふと言ふとも」は、恋しいと言ってもの意である。
 三句「諸弟らが」は、前歌の三句と同じ句である。
 四句「練りのことばは」は、巧みに練り上げた言葉はの意である。
 結句「我れは頼まじ」の「じ」は打消意志で、頼みにしまいの意となる。

たのむ:頼みにする、あてにする
作者
大伴家持
出典
万葉集
前の歌
言とはぬ木すらあじさゐ諸弟らが 練りのむらとにあざむかえけり
次の歌
鶉鳴く古りにし里ゆ思へども 何ぞも妹に逢ふよしもなき