うつたへに籬の姿見まく欲り
行かむと言へや君を見にこそ
- 歌の意味
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ひたすら垣根の姿を見たいと思って行こうと言っているのだろうか。いや、あなたを見にこそ行くのだ。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 778
詞書は前の歌に続き「大伴宿祢家持のさらに紀女郎に贈る歌五首」
前歌で垣根を見に行くと言ったのは、本当に垣根が見たいからではない、あなたに逢いに行くのだと本心を明かす歌である。前歌の口実を自ら打ち明けて、恋心を伝えている。本巻の第五百十七首の大伴安麻呂の歌と同じく「うつたへに」の語を用いている。
作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、万葉集の編纂に深くかかわったとされる歌人である。のちに中納言に至った。
初句「うつたへに」は、ひたすらに、まったくの意の副詞で、四句の反語と呼応する。
二句「籬の姿」は、垣根の姿の意で、前歌の「やどの籬」を受けている。
三句「見まく欲り」は、見たいと思っての意である。
四句「行かむと言へや」の「や」は反語で、行こうと言うだろうか、いや言わないの意となる。ここで切れる四句切れである。
結句「君を見にこそ」は、あなたを見にこそ行くのだの意で、本心を示して結ぶ。
まがき:竹や柴で作った垣根
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我妹子がやどの籬を見に行かば けだし門より帰してむかも
- 次の歌
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板葺の黒木の屋根は山近し 明日の日取りて持ちて参ゐ来む