ぬばたまの昨夜は帰しつ今夜さへ
我れを帰すな道の長手を
- 歌の意味
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ゆうべは私を帰した。今夜までも私を帰さないでくれ。長い道のりなのだから。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 781
詞書は前の歌に続き「大伴宿祢家持のさらに紀女郎に贈る歌五首」
ゆうべは追い返されたが、今夜まで帰さないでほしい、長い道のりを来たのだからと訴える歌である。五首の最後に置かれ、紀女郎への訪問をめぐる一連を結んでいる。本巻の第五百三十六首の門部王の歌と同じく「道の長手を」で結ばれている。
作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、万葉集の編纂に深くかかわったとされる歌人である。のちに中納言に至った。
初句「ぬばたまの」は「夜」にかかる枕詞で、ここでは「昨夜」にかかる。
二句「昨夜は帰しつ」は、ゆうべは帰したの意で、ここで切れる二句切れである。
三句「今夜さへ」は、今夜までもの意である。
四句「我れを帰すな」の「な」は禁止で、私を帰さないでくれの意となる。ここで切れる四句切れである。
結句「道の長手を」は、長い道のりなのにの意で、第五百三十六首と同じ結句である。
きぞ:昨夜、前の晩
ながて:長い道のり
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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黒木取り草も刈りつつ仕へめど いそしきわけとほめむともあらず
- 次の歌
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風高く辺には吹けども妹がため 袖さへ濡れて刈れる玉藻ぞ