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をととしの先つ年より今年まで
恋ふれどなぞも妹に逢ひかたき

歌の意味
おととしの、そのまた前の年から今年まで恋い続けているのに、どうしてあの人に逢うのはこんなにむずかしいのだろう。
鑑賞
巻第四 相聞 783

詞書「大伴宿祢家持の娘子に贈る歌三首」
 家持が娘子に贈った三首の最初の歌である。おととしのさらに前の年から今年まで恋い続けているのに、どうして逢えないのかと嘆く。年を数える具体的な言い方によって、恋の長さを表している。
 作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、万葉集の編纂に深くかかわったとされる歌人である。のちに中納言に至った。

 初句「をととしの」は、おととしのの意である。
 二句「先つ年より」は、その前の年からの意である。
 三句「今年まで」は、今年までの意である。
 四句「恋ふれどなぞも」は、恋い慕っているのに、どうしての意である。
 結句「妹に逢ひかたき」は八音の字余りで、あの人に逢いがたいのかの意となり、連体形で結ぶ。

さきつとし:前の年
作者
大伴家持
出典
万葉集
前の歌
風高く辺には吹けども妹がため 袖さへ濡れて刈れる玉藻ぞ
次の歌
うつつにはさらにもえ言はず夢にだに 妹が手本を卷き寝とし見ば