うつつにはさらにもえ言はず夢にだに
妹が手本を卷き寝とし見ば
- 歌の意味
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現実では、とても言うこともできない。せめて夢の中ででも、あの人の袂を枕にして寝ると見たならば。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 784
詞書は前の歌に続き「大伴宿祢家持の娘子に贈る歌三首」
現実ではとても言い出せないが、せめて夢の中であの人の袂を枕にして寝る姿を見たいと願う歌である。言いさしの形で結び、かなわぬ思いを余韻として残している。
作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、万葉集の編纂に深くかかわったとされる歌人である。のちに中納言に至った。
初句「うつつには」は、現実にはの意である。
二句「さらにもえ言はず」は八音の字余りで、とても言うこともできないの意である。ここで切れる二句切れである。
三句「夢にだに」は、せめて夢にでもの意である。
四句「妹が手本を」は、あの人の袂をの意である。
結句「卷き寝とし見ば」は、枕にして寝ると見たならばの意で、言いさしの形で願いを余韻として残している。
うつつ:現実
たもと:袖。また袖の袂
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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をととしの先つ年より今年まで 恋ふれどなぞも妹に逢ひかたき
- 次の歌
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我がやどの草の上白く置く露の 身も惜しからず妹に逢はずあれば