春風の音にし出なばありさりて
今ならずとも君がまにまに
- 歌の意味
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春風の音のように、はっきりと言葉に出したならば、時が経って、今でなくても、あなたの思いのままにしよう。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 790
詞書は前の歌に続き「また家持の藤原朝臣久須麻呂に贈る歌二首」
春風の音のようにはっきり言葉に出したならば、今すぐでなくても、時が経ってからあなたの思いのままにしようと、縁談への答えを示す歌である。本巻の第五百四十一首の高田女王の歌と同じ句「今ならずとも」をもつ。
作者の大伴家持は、大伴旅人の子で、万葉集の編纂に深くかかわったとされる歌人である。のちに中納言に至った。
初句「春風の」は、春風の音から二句の「音」を導く。
二句「音にし出なば」の「し」は強意で、言葉に出したならばの意となる。
三句「ありさりて」は、時が経っての意である。
四句「今ならずとも」は、今でなくてもの意で、第五百四十一首の結句と同じ句である。
結句「君がまにまに」は、あなたの思いのままにの意で、縁談を受け入れる意を示して結ぶ。
ありさる:時が経つ、そのまま過ごす
- 作者
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大伴家持
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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心ぐく思ほゆるかも春霞 たなびく時に言の通へば
- 次の歌
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奥山の岩蔭に生ふる菅の根の ねもころ我れも相思はざれや