奥山の岩蔭に生ふる菅の根の
ねもころ我れも相思はざれや
- 歌の意味
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奥山の岩陰に生える菅の根のように、心をこめて懇ろに、私もあなたを思わずにいられようか。
- 鑑賞
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巻第四 相聞 791
詞書「藤原朝臣久須麻呂の来報ふる歌二首」
家持に答えた藤原久須麻呂の二首の最初の歌である。奥山の岩陰に生える菅の根を序として、私も心から思っていると答える。本巻の第五百八十首の余明軍の歌と同じく、菅の根から「ねもころ」を導いている。
作者の藤原久須麻呂は、藤原仲麻呂の子で、奈良時代の官人である。
初句「奥山の」は、山の奥深くのの意である。
二句「岩蔭に生ふる」は八音の字余りで、岩陰に生えるの意である。
三句「菅の根の」は、菅の根のの意で、「ね」の音から四句の「ねもころ」を導き、初句と合わせて序詞となる。
四句「ねもころ我れも」は、心をこめて私もの意である。
結句「相思はざれや」の「や」は反語で、思わずにいられようか、いや思っているの意となる。
すが:菅。カヤツリグサ科の草
いはかげ:岩陰
- 作者
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藤原久須麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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春風の音にし出なばありさりて 今ならずとも君がまにまに
- 次の歌
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春雨を待つとにしあらし我がやどの 若木の梅もいまだふふめり