直に逢はずあらくも多く敷栲の
枕去らずて夢にし見えむ
- 歌の意味
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直接逢わずにいる日々も多くなったので、枕元を離れずに、夢にきっと見えよう。
- 鑑賞
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巻第五 雑歌 809
詞書は前の歌に続き「答ふる歌二首」
直接逢えない日々が重なるので、あなたの枕元を離れず夢に現れようと答える一首である。旅人が第八百七首で夢に見えてほしいと願ったのに対し、こちらから夢に現れようと応じている。
都から寄せられた答歌で、作者の名は記されておらず、誰の作かは明らかでない。旅人の書簡と歌を受け取った都の知人が返したものとみられる。
初句「直に逢はず」は、直接に逢わないことをいう。六音の字余りである。
二句「あらくも多く」の「あらく」は「あること」の意で、逢わずにいる日々が多いことをいう。
三句「敷栲の」は「枕」にかかる枕詞である。
四句「枕去らずて」は、枕のそばを離れずに、の意で、毎夜欠かさずに訪れることを表す。
結句「夢にし見えむ」の「し」は強意、「む」は意志で、夢に必ず見えようと約束する。贈歌の「夢にを継ぎて見えこそ」という願いに、見えようという意志で応える対の構図になっている。
しきたへ:寝床に敷く布。「枕」「床」などにかかる枕詞となる
いめ:夢の古い形
- 出典
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万葉集
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竜の馬を我れは求めむあをによし 奈良の都に来む人のたに
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いかにあらむ日の時にかも声知らむ 人の膝の上我が枕かむ