梅の花今盛りなり思ふどち
かざしにしてな今盛りなり
- 歌の意味
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梅の花は今が盛りだ。気の合う仲間同士、髪に挿して飾ろう。今が盛りだ。
- 鑑賞
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巻第五 雑歌 820
詞書は前の歌に続き「梅花の歌三十二首 并せて序」
梅の花が今を盛りと咲いているので、親しい者同士で髪に挿して飾ろうと誘う一首である。二句と結句に「今盛りなり」を繰り返し、古い歌謡の調子をとりいれて、宴の高揚した気分を率直に表している。
天平二年正月十三日、大宰帥大伴旅人の邸宅に大宰府の官人や九州諸国の国司らが集い、庭の梅を題に詠み合った「梅花の宴」の歌三十二首の一首である。漢文の序は、初春の令月に気は良く風は和らぎ、梅は鏡の前の白粉のように白く開き、蘭は身に帯びた香のように薫ると記し、令和の元号の典拠となったことでも知られる。序は、中国の詩文に落梅の篇があるように、園の梅を題に短歌を詠もうと結ばれている。歌の末尾に「筑後守葛井大夫」とある。
作者の葛井大成は、渡来系氏族の葛井氏の官人で、この時筑後守の任にあった。
初句「梅の花」は宴の主題への呼びかけである。
二句「今盛りなり」は、今が満開である、の意で、ここで句が切れる二句切れである。本巻の第八百三十四首も同じ上の句で始まり、後の追和の第八百五十首もこの句を用いる。
三句「思ふどち」は、心を通わせる仲間同士、の意で、宴に集う人々を指す。
四句「かざしにしてな」の「かざし」は花や枝を髪に挿す飾りで、「な」は勧誘を表す終助詞である。
結句「今盛りなり」は二句と同じ句を繰り返す反復で、歌謡的な調べを生み、喜びを高めて結ぶ。
どち:仲間、同士
かざし:花や枝を髪や冠に挿す飾り
- 作者
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葛井大成
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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世の中は恋繁しゑやかくしあらば 梅の花にもならましものを
- 次の歌
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青柳梅との花を折りかざし 飲みての後は散りぬともよし