青柳梅との花を折りかざし
飲みての後は散りぬともよし
- 歌の意味
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青柳と梅の花とを折って髪に挿し、酒を飲んだ後ならば、散ってしまってもかまわない。
- 鑑賞
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巻第五 雑歌 821
詞書は前の歌に続き「梅花の歌三十二首 并せて序」
青柳と梅の花を髪に飾って酒を飲んだ後ならば、花が散ってもかまわないと詠む一首である。花の散ることを惜しむ他の歌とは趣を変え、今この時の宴の楽しみを存分に味わえば満足だという豪放さで、一座を沸かせたと思われる。
天平二年正月十三日、大宰帥大伴旅人の邸宅に大宰府の官人や九州諸国の国司らが集い、庭の梅を題に詠み合った「梅花の宴」の歌三十二首の一首である。漢文の序は、初春の令月に気は良く風は和らぎ、梅は鏡の前の白粉のように白く開き、蘭は身に帯びた香のように薫ると記し、令和の元号の典拠となったことでも知られる。序は、中国の詩文に落梅の篇があるように、園の梅を題に短歌を詠もうと結ばれている。歌の末尾に「笠沙弥」とある。
作者の沙弥満誓は、俗名を笠麻呂といい、美濃守などを歴任したのち出家した。この時は造筑紫観世音寺別当として大宰府にあった。
初句「青柳」は、芽吹いたばかりの柳で、本巻の第八百十七首の「青柳」を受けるように梅と並べて取り上げる。
二句「梅との花を」は、青柳と梅との花を、の意で、二つの景物を合わせて飾りとする。
三句「折りかざし」は、折って髪に挿す意で、宴の風流を表す。
四句「飲みての後は」は、酒を飲んだ後は、の意で、宴席での飲酒を率直に言う。
結句「散りぬともよし」は、散ってしまってもよいと言い切り、散るのを惜しむ多くの歌に対して、今の楽しみに満足する心を示して結ぶ。
かざす:花や枝を髪や冠に挿して飾る
- 作者
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沙弥満誓
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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梅の花今盛りなり思ふどち かざしにしてな今盛りなり
- 次の歌
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我が園に梅の花散るひさかたの 天より雪の流れ来るかも