- 歌の意味
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梅の花は今が盛りだ。さまざまな鳥の声が恋しく思われる春がやって来たらしい。
- 鑑賞
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巻第五 雑歌 834
詞書は前の歌に続き「梅花の歌三十二首 并せて序」
梅が満開となり、たくさんの鳥のさえずりが恋しく思われる春がやって来たらしいと詠む一首である。梅の盛りから、やがて鳥の声に満ちる春の到来を予感し、季節の広がりを感じとっている。
天平二年正月十三日、大宰帥大伴旅人の邸宅に大宰府の官人や九州諸国の国司らが集い、庭の梅を題に詠み合った「梅花の宴」の歌三十二首の一首である。漢文の序は、初春の令月に気は良く風は和らぎ、梅は鏡の前の白粉のように白く開き、蘭は身に帯びた香のように薫ると記し、令和の元号の典拠となったことでも知られる。序は、中国の詩文に落梅の篇があるように、園の梅を題に短歌を詠もうと結ばれている。歌の末尾に「小令史田氏肥人」とある。田氏を田口、田辺などのいずれとするかは定まらない。
作者の田氏肥人は、大宰府の小令史の任にあった官人である。
初句「梅の花」は、宴の主題である。
二句「今盛りなり」は、第八百二十首の二句と同じ句で、ここで句が切れる二句切れである。
三句「百鳥の」は、多くの種類の鳥の意で、春に鳴き交わす鳥たちをいう。
四句「声の恋しき」は、その声が恋しく慕わしく思われる、の意である。
結句「春来るらし」の「らし」は根拠のある推定で、梅の盛りを根拠に春の到来を推し量って結ぶ。
ももとり:多くの種類の鳥
- 作者
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田氏肥人
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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年のはに春の来らばかくしこそ 梅をかざして楽しく飲まめ
- 次の歌
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春さらば逢はむと思ひし梅の花 今日の遊びに相見つるかも