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ももしきの大宮人の罷り出て
遊ぶ今夜の月のさやけさ

歌の意味
宮廷に仕える人々が宮中から退出して遊ぶ今宵の、月の清らかさよ。
鑑賞
巻第七 雑歌 1076

詞書は前の歌に続き「月を詠む」
 宮仕えを終えて退出した大宮人たちが月の下で遊ぶ夜の、月の明るさを讃えた一首である。宮廷人たちの風雅な月見の遊びの華やいだ雰囲気を伝えている。
 月を詠む歌群の中で、個人の嘆きや恋ではなく、宮廷人の集いを背景とした晴れやかな歌である。作者は未詳である。

 初句「ももしきの」は、「大宮」にかかる枕詞である。
 二句「大宮人の」は、宮廷に仕える官人たちをいう。
 三句「罷り出て」は、宮中から退出して、の意。公務を離れたくつろぎの時間であることを示す。
 四句「遊ぶ今夜の」の「遊ぶ」は、詩歌や管弦などの風雅な楽しみをすることをいう。
 結句「月のさやけさ」は、形容詞「さやけし」の語幹に接尾語「さ」を付けた名詞で結ぶ体言止めで、月の清らかな明るさへの詠嘆を表す。

おほみやびと:宮廷に仕える人
まかりいづ:宮中などから退出する
出典
万葉集
前の歌
海原の道遠みかも月読の 光少き夜は更けにつつ
次の歌
ぬばたまの夜渡る月を留めむに 西の山辺に関もあらぬかも