- 歌の意味
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澄んだ鏡のように照り輝くはずの月を、白い雲が隠しているのか、それとも天の霧なのだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1079
詞書は前の歌に続き「月を詠む」
当然明るく照るはずの月が見えないのを怪しみ、白雲が隠したのか、空の霧のせいなのかと思い巡らす一首である。月を待ち望む心が、隠すものの正体を問う形で表されている。
月を詠む歌群の中で見えない月を詠む歌の一つであり、本巻の第千八十三首が霜曇りのために月が見えないのかと推量するのと趣向が通じる。作者は未詳である。
初句「まそ鏡」は、よく澄んだ鏡の意で、「照る」にかかる枕詞である。
二句「照るべき月を」の「べき」は当然の意で、照るはずの月を、の意。
三句「白栲の」は、白い布の意の語で、ここでは「雲」にかかる枕詞として雲の白さを表す。
四句「雲か隠せる」は、係助詞「か」を受けて連体形「る」で結ぶ係り結びで、雲が隠しているのか、と問う。
結句「天つ霧かも」の「天つ」は、天の、の意。「かも」は疑問で、四句の「雲か」と並べ、雲か霧かと二つの原因を挙げる。
まそかがみ:よく澄んで曇りのない鏡
しろたへ:コウゾなどの繊維で織った白い布
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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この月のここに来たれば今とかも 妹が出で立ち待ちつつあるらむ
- 次の歌
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ひさかたの天照る月は神代にか 出で反るらむ年は経につつ