水底の玉さへさやに見つべくも
照る月夜かも夜の更けゆけば
- 歌の意味
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水の底の玉までもはっきりと見えそうなほどに照る月夜であることよ。夜が更けてゆくので。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1082
詞書は前の歌に続き「月を詠む」
夜が更けるにつれて月光が冴えわたり、水底の玉までくっきり見えそうなほどだと、月夜の明るさを讃えた一首である。水の透明さと月光の清らかさとが重なり合う、澄みきった美しさがある。
月を詠む歌群の中で、本巻の第千七十一首や第千七十五首が夜の更けるのを嘆くのに対し、この歌では夜更けがかえって月の明るさを増すものとして詠まれている。作者は未詳である。
初句「水底の」は、水の底の、の意である。
二句「玉さへさやに」の「さへ」は添加の副助詞で、水底の玉までも、の意。「さやに」は、はっきりと、の意。
三句「見つべくも」は、きっと見えるに違いないほどに、の意。完了の「つ」と推量の「べし」が重なり、確かさを強めている。
四句「照る月夜かも」は、詠嘆の「かも」で言い切る四句切れで、月夜の明るさへの感動を表す。
結句「夜の更けゆけば」は、倒置によって理由を後から添えた句で、夜が更けてゆくので、の意。
みなそこ:水の底
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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ぬばたまの夜渡る月をおもしろみ 我が居る袖に露ぞ置きにける
- 次の歌
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霜曇りすとにかあるらむ久方の 夜渡る月の見えなく思へば