霜曇りすとにかあるらむ久方の
夜渡る月の見えなく思へば
- 歌の意味
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霜が降りる前触れで空が曇っているのだろうか。夜空を渡るはずの月が見えないことを思うと。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1083
詞書は前の歌に続き「月を詠む」
月が見えないことから、霜の降りる前触れの曇り空になっているのだろうかと推し量る一首である。月を待ち望む心とともに、冷え込んでゆく夜の気配が感じられる。
本巻の第千七十九首が月を隠すのは雲か霧かと問うのに続き、この歌では霜曇りを原因と推量しており、見えない月を詠む歌が歌群の中に並ぶ。作者は未詳である。
初句「霜曇り」は、霜が降りる前触れとして空が曇ることをいう。
二句「すとにかあるらむ」は、そうなっているというのであろうか、の意。係助詞「か」を受けて連体形「らむ」で結ぶ係り結びで、二句切れとなる。
三句「久方の」は枕詞で、ここでは四句の「夜渡る月」にかかり、天空を渡る月を導く。
四句「夜渡る月の」は、夜空を渡る月の、の意。本巻の第千七十七首、第千八十一首にも見える句である。
結句「見えなく思へば」の「見えなく」は「見えず」のク語法で、見えないことを、の意。倒置によって推量の根拠を後から示している。
しもぐもり:霜の降りる前触れに空が曇ること
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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水底の玉さへさやに見つべくも 照る月夜かも夜の更けゆけば
- 次の歌
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山の端にいさよふ月をいつとかも 我は待ち居らむ夜は更けにつつ