- 歌の意味
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靫を背負う武人たちが大勢いる大伴氏のもとで、国が栄えるようにと、月は照っているらしい。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1086
詞書は前の歌に続き「月を詠む」
靫を負う武人を多く擁する大伴氏を讃え、その繁栄を祝福するかのように月が照っていると詠む寿歌である。月を詠む歌群の最後に置かれ、月の光を一族と国の栄えの瑞兆として受け止めている。
大伴氏は古来宮廷を守る武門の家柄で、「伴の男」はその配下の武人たちをいう。大伴氏の宴で詠まれた歌と見る説がある。作者は未詳である。
初句「靫懸くる」は、矢を入れる靫を背に負う、の意で、武人の姿を表す。
二句「伴の男広き」は、朝廷に仕える武人たちが大勢いる、の意。「広き」は数が多く勢いの盛んな様をいう。
三句「大伴に」は、大伴氏のもとに、の意。上二句が大伴氏を讃える修飾となっている。難波一帯の地名「大伴」と重ねる説もある。
四句「国栄えむと」は、国が栄えるであろうとて、の意。一族の繁栄と国の繁栄とを重ね合わせる。
結句「月は照るらし」の「らし」は根拠に基づく推定で、月が照るのはそのためらしい、と月光を瑞兆として受け止める。月を詠む歌群はこの寿ぎの歌で締めくくられる。
ゆき:矢を入れて背負う武具
とものを:朝廷に仕える部民の長、また武人たち
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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妹があたり我が袖振らむ木の間より 出で来る月に雲なたなびき
- 次の歌
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穴師川川波立ちぬ巻向の 弓月が岳に雲居立てるらし