我妹子が赤裳の裾のひづちなむ
今日の小雨に我れさへ濡れな
- 歌の意味
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愛しい妻の赤い裳の裾がきっと濡れていることだろう、その今日の小雨に、私も一緒に濡れよう。
- 鑑賞
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巻第七 雑歌 1090
詞書「雨を詠む」
小雨の中、妻の赤い裳の裾が濡れているだろうと思いやり、自分も同じ雨に濡れようと願う一首である。雨を仲立ちとして、離れている妻と心を一つにしようとする情愛がこもっている。
詞書「雨を詠む」のもとの最初の歌で、次歌も雨と妻とを詠む。作者は未詳である。
初句「我妹子が」は、わが愛しい妻が、の意である。
二句「赤裳の裾の」は、女性が腰から下にまとう赤い裳の裾が、の意。赤裳は万葉の女性の美しさを象徴する装いである。
三句「ひづちなむ」の「ひづつ」は濡れる、泥にまみれる意。「なむ」は完了と推量の重なった形で、きっと濡れているだろう、の意。
四句「今日の小雨に」は、今日降っている小雨に、の意である。
結句「我れさへ濡れな」の「さへ」は添加で、私までも、の意。「な」は自分の意志を表す終助詞で、濡れよう、と結ぶ。
あかも:赤く染めた女性の裳
ひづつ:濡れる、泥にまみれる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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大海に島もあらなくに海原の たゆたふ波に立てる白雲
- 次の歌
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通るべく雨はな降りそ我妹子が 形見の衣我れ下に着り